三陸の海の幸に名物の牛たん、ずんだスイーツまで!東北随一の食材王国、宮城の底力を池袋から発信中!
地元グルメをめぐるアンテナショップ探検隊。第9回は初の東北エリア! 池袋の「宮城ふるさとプラザ」をご紹介します!
今回の目的地は宮城県の公式アンテナショップ、「宮城ふるさとプラザ」。アンテナショップが集中する銀座・有楽町・日本橋エリアではなく、池袋にあります。もともと前身の「宮城県観光物産サービスセンター」は、東京駅八重洲口の鉄道会館ビルにあったのですが、八重洲口の再開発に伴って移転する際、たまたま条件的に恵まれた池袋東口の現物件と巡り合ったのだとか。宮城ふるさとプラザが池袋にオープンしたのは2005年7月。それをご縁に豊島区と宮城県が「相互交流宣言」を行うなど交流を深め、今年で12年目を迎えました。今ではすっかり池袋の顔として地元に根づいています。
池袋でも最も人通りの多い、サンシャインシティに続くメインストリートに面しているので、平日でも人の流れが途絶えることはありません。店の入り口には、宮城県のシンボルの1つ、伊達政宗公の兜飾りをかたどった三日月のマークがあり、目を引きます。そういえば2017年は伊達政宗公の生誕450周年にあたるのだとか。そんな「宮城ふるさとプラザ」を、店長の三浦さんにご案内していただきました。
「伊達な宮城」の魅力を都内で手軽に体験できる
オープン10周年にあたる2015年にリニューアルし、2階に仙台名物の牛たん専門店「伊達の牛たん本舗」ができました。
「豊島区で唯一のアンテナショップということもあり、おかげさまで客足は好調です。とくに牛たんは本場の味を気軽に楽しめるとあって、開店前から行列ができるほどです。お食事の後に、皆さん1階でお買い物をして行かれる方が多いですね。」と三浦さん。
たしかに牛たん焼きは仙台が発祥とされていますが、焼肉屋さんの牛タンとは違うんでしょうか…?
「地元の人は、牛たんは専門店で食べますね。下味をつけて熟成させているし、肉の厚みからして違いますよ」とのこと。なるほど、なるほど。
宮城県の名物と言えば、牛たんのほかにも牡蠣とか笹かまぼこ、ずんだ餅なんかが有名ですよね…?
「海山の幸に恵まれた宮城は、食材王国として知られています。とくに三陸の海から届けられるフカヒレやアワビ、ホヤなどの海産物は外せないのではないでしょうか」。
ホヤ、ですか。食べたことない、かも…(汗)。
「ホヤが苦手という方は、産地で食べてないせいだと思いますよ。海産物の中でも、ホヤは特に鮮度が大切なんです。新鮮なホヤは臭みもなく、一度食べたら病みつきになるくらい美味しいんですから!」
さすが地元出身の三浦さん、熱が入ってます。ちなみに文字では伝わらないと思いますが、三浦さんの語り口は宮城弁そのまんま!
「東北出身の方が来られた時に親しみを感じていただけるよう、東北訛りはわざと直さないようにしています。池袋という場所柄、埼玉の方がたくさん来られるんですが、なぜか東北にご縁のある方が多いようで、話していると盛り上がったりするんですよ」と三浦さん。お国ことばってあったかくて素敵ですよね。
ところで、ホヤの魅力のお話でしたね?
「ちょうど今は期間限定のイベントで、南三陸町の志津川から直送したホヤを販売していますので見ていってください」と言われて売場に向かうと、わあ、近くに寄っただけで潮の香りがいっぱい!
「朝の2時に上がった、三陸直送のホヤだよ~! ホヤは今が旬だからね~!」
元気のいい声に引き寄せられると、鉢巻をした大将が手際よくホヤをさばいていました。さばき方のコツを教えてくれるだけでなく、もちろん買ったホヤはその場でさばいてもらえるので、お客様の人だかりができています。
「ホヤは蒸すと旨みが増すので、蒸しホヤもおすすめですよ」と三浦さん。何と言っても、日本酒にはこれ以上の肴はないのだそうです。その蒸しホヤをはじめとしてホヤを加工した製品も数多く、乾燥したホヤの珍味「ほや酔明」は東北新幹線の車内販売でもおなじみなのだとか。
そういえば宮城は米どころ。ササニシキ、ひとめぼれなどの宮城米をその場で精米してもらえるコーナーも。日本酒も当然、よりどりみどりの充実ぶりです。品質保持のために日本酒専用の冷蔵ケースも用意されていました。中でもおすすめは、宮城県内限定流通という一ノ蔵の特別純米酒「大和伝」。県内限定品を特別に置かせていただいているそうです。
「東日本大震災のあと、被害の大きかった地域では一時的に生産や販売を見送らざるを得なかった商品もたくさんありました。そんな中、地元では売ることができない商品を宮城ふるさとプラザでお預かりして応援セールとして販売することで、復興の足がかりにさせていただくことができたのです」。
当時は被災地支援のムードが高まり、店内はお客様であふれたのだそう。「がんばっぺ東北!」の機運が宮城の商品を通じて多くの人に伝わったのですね。
名物の笹かまぼこには、驚くほどの種類があります。宮城ふるさとプラザでは、お菓子も笹かまぼこもバラ売りしていて、かまぼこ1枚からでも買うことができるので、気になった味を食べ比べすることもできるのは嬉しいところ。
ふと、その隣のドリンクコーナーを見て目が釘付けに!
昨今、ご当地サイダーにもいろいろありますが、なんと「牛たんサイダー」とか「ずんだサイダー」があるのには笑ってしまいました。最近テレビ番組で取り上げられてマツコさんが飲んでいたので話題になり、これをお目当てに来るお客様もいるのだとか。どんな味なのかは、飲んでみてのお楽しみです。
さて、その「ずんだ」というのは枝豆やそら豆をすりつぶして作るペースト状の伝統食材で、ずんだ餡をからめた「ずんだ餅」が有名です。最近は和菓子だけでなく洋菓子にも「ずんだペースト」が使われ、ずんだの甘味の総称として「ずんだ系スイーツ」というジャンルが定着してきました。
お店のイートインコーナーでも、ずんだソフトクリームやずんだシェイクを味わえますし、店内にはずんだロールケーキやずんだ大福、ずんだモンブランなど、数えきれないずんだ系スイーツが揃っています。冷凍ずんだ餅もあるので、自宅でも作りたてのおいしさを味わうことができますよ。
牛たんカレーやふかひれラーメンなど、宮城ならではの加工食品もバラエティ豊か。中には「具の9割が牛たん」という「仙台ラー油」もありました。
定期的に「宮城の旬」をテーマとしたイベント販売を開催していて、宮城県内の企業や市町村が直接お客様とふれあう機会を大切にしているんだそう。また、今年は伊達政宗公の生誕450年ということもあり、宮城県内でもさまざまなイベントやキャンペーンが展開されて、PRにも力が入っている様子。最近では壇蜜さんと金のカメの掛け合いが話題となった、竜宮城ならぬ「涼・宮城の夏」キャンペーンなどで、ご当地ゆるキャラの「むすび丸」の露出も増えているそうですよ。「むすび丸」の活躍もぜひチェックしてみてください。
「震災以降、全国からさまざまな形で応援のメッセージをいただいているのは大変ありがたいことです。ジモト人としては、実際に宮城に来て、楽しんでいただけることが一番かなと思っています」(宮城弁)と三浦さん。
やはり「伊達者」の伝統が受け継がれる宮城人はたくましい! 前掛けに刷り込まれた「いぎなりがんばっぺ」の言葉をかみしめながら、今度は「伊達な旅」のプランを練らなくては、と思いを新たにする探検隊でした。