ほんわかやわらかくなる。心ほぐほぐするブレンドがくれたものとは?
障害のあるバリスタたちの挑戦
こんにちは、なかのひと、スミです。
2024年9月25日、品川プリンスホテルにて、全国各地の障がい者が運営するカフェで働くバリスタたちが技術を競う『第4回 CHALLENGE COFFEE BARISTA 2024』大会が開催されました。
ベルシステム24(以下、当社)は、2022年から、メインスポンサーとして協賛しています。
当社は東京本社等にて、ベルシステム24グループの特定子会社である(株)ベル・ソレイユ(以下、ソレイユ)の社員が、バリスタとしてオリジナルコーヒーを提供するカフェ『Café de Bell』を運営しています。また、カフェ常設がない拠点へ出張販売に行ったり、オリジナルブレンドのドリップバッグの販売もしています。
当社は本大会に3年連続で大会にエントリー。昨年は、『ダーマロジカHealthy Skin賞』と『グッドデザイン賞』を受賞しました。目指すはグランプリの『Champion Bean』を手にすること。
今年のブレンドに込められた想い、そして彼らの挑戦が教えてくれたこととは?
毎年サポートメンバーとして帯同し、身近で彼らを見てきたスミが、イベント密着レポートをお送りします。
3月に行われた予選の結果は・・・
開催4年目を迎えるCHALLENGE COFFEE BARISTA。全国から22チームが出場しました。出場チームが増え、今年より予選を実施。通過した10チームが9月の本大会に出場となります。
3月13日、オンラインで予選が実施され、3人体制で挑戦しました。
あらかじめ用意していた、普段の作業風景とチーム紹介、メンバー紹介の3本の動画を見てもらい、その後、本大会と同じ実技審査を実施。今年新加入のメンバーが、持ち前の明るさではきはきと話しながら、頼もしくチームをひっぱる姿が見られ、日ごろのカフェでの成果を発揮。
そして2週間後に結果が来ました。
なんと!予選1位!
それでも慢心せず、本大会までの課題も見つかり、練習にも力が入ります。
6か月後の真の栄冠に向けて邁進あるのみです。そして、9月25日、本大会を迎えました。
今年のブレンドテーマは、「ほぐほぐブレンド」
CHALLENGE COFFEE BARISTAでは、出場チームが数種類の豆を配合したオリジナルブレンドを作り、抽出技術やホスピタリティー、加えてその味わいで勝負します。当社のカフェ『Café de Bell』は、昨年に引き続き『Café de Bellらしさ』『自分たちが目指す姿を、味で表現する』ことをテーマに、オリジナルブレンドを作りました。
今年のブレンド名は、「ほぐほぐブレンド」。
かわいらしい名前ですが、表現するのはなかなか難しかったようです。
ブレンドコンセプト
普段の私たちは生き生きと笑顔が溢れ、自然体で仕事をしています。
心がほんわか、やわらかくなるクッションのようなカフェです。
コンペティションでも私たちの良さが出るよう、沢山練習を重ねてきました。
私たちのカフェをイメージしたブレンド名「ほぐほぐ」はゆったり、のんびり、にっこりと、緊張した心がほぐれてゆく、いつもの私たちらしさ、カフェそのものです。その「ほぐほぐ」を味で表現するのは難しく、心がほぐれる時とはどんな時なのか、みんなで話し合いました。色、香り、風景など…様々な意見が出ましたが、全員の共通点が「私たちらしさ」という新たな発見がありました。
何度も作った試作品、こだわって追求した「私たちらしさ」を込めたブレンド。
優しい甘さが全体をふんわりと包みこむような、私たちのカフェを表現する仕上がりになるまで調整をしました。
私たちらしさ、どうぞご賞味ください。皆様の心がほぐほぐされますように!
当社のカフェは、メンバーも空間も、来た人をやさしく迎えてくれる、心の落ち着く場所です。そこに自分たちらしさを見つけるという目の付けどころと、その表現が難しいテーマへの果敢な挑戦にうなりました。
また、オリジナルブレンドに合わせ、毎回ラベルもオリジナルでデザインしています。
『Café de Bell』の今年のラベルは、メンバーの一人がキャンプに行って感動し、心が落ち着いたという、木々に囲まれた中で見上げた夜空にきらめく星を描いたものです。原画は、まな板に描いた作品でした。これもまた素敵です。
入念な練習を重ねて臨んだ、実技審査
いよいよ実技審査です。実技審査では、『抽出技術審査』と『ブレンド審査』の2種目合計で競います。
抽出技術審査では、10分の制限時間内に、①豆を挽く、②コーヒーを抽出する、③4人分のカップに注ぐ、④4人の審査員に提供する、という作業を行います。
予選順位の降順の審査なので、1位だったCafé de Bellは10チームのトリを務めました。
ふだんのカフェ運営は5人体制ですが、大会には当初、3人で挑む予定だったそうです。 審査項目の作業のスペシャリスト3名を選出したことで、一人ひとりの役割や動きを自立的にわかりやすく見せられる少人数体制ならではの利点が、予選では功を奏したようです。
その予選での3人の勇姿を見て「やりたい!」という気持ちが沸き上がった2名。当社が目指す、多様性を受け入れ個人を尊重することを念頭に、「やりたい」という、その気持ちを大切にして、本番へは5人ので練習してきました。
後日にサポートスタッフのアビコさんから、「ただそこに居ればよいという人数合わせではなく、一人ひとりが役割を持って、自分がチームにとっていなくてはならない存在だと思ってもらえるくらい、みんな努力していた」と聞きました。
他チームの審査の間も、控室で繰り返し一連の手順を再確認し合うなど、本番に向けて余念なし。
気持ちを高めていっていました。
今年はより一層、掛け声やポーズなどのパフォーマンスを増やしました。
真顔になりやすいメンバーも笑顔をがんばりました。
「ほぐほぐ」と言うときは、肩をもむしぐさをしました。
(ガオー、と吠えるポーズにも見えてかわいい…)
一般の来場者が投票できる、「ブレンド審査」
「ブレンド審査」は、チーム名非公表の状態で、来場者が試飲し、おいしいと思ったコーヒーに投票するもの。今大会から競技参加者やサポートスタッフ等、関係者は投票できなくなりました。
理由として、毎年、自分のチームのコーヒーを当てようと試飲を繰り返す人がいるため、コーヒーや紙コップが足りなくなってしまったと聞き、、、あれ?身に覚えがあるぞ…ごめんなさい。
つまり今年は、第三者の一般来場者による純粋な味覚勝負になった、とも言えます。
会場には社長も駆け付け、全社でオンラインでも応援
どのチームも応援に熱が入ります。当社も負けていられません!
応援には社長も駆け付け、応援用のパネルを持って見守ります。
さらに当社ではパブリックビューイングでライブ中継され、社員やソレイユの仲間たちも応援してくれていました。
はたして結果は?
結果発表が始まりました。
まずは、ブレンド審査1~3位。一般来場者にどれだけ受け入れられたか、、、しかしながら選ばれず。残念。
その後も各賞が発表されていきますが、なかなか呼ばれません。
ソワソワしてきた終盤、名前が呼ばれました。
「サンリオエンターテイメント賞」受賞、おめでとうございます!
この賞は、サンリオが大切にしている「Kawaii」を評価するものです。プレゼンターの方からは次の言葉を送っていただきました。
今日、会場に足を組み入れたときに、皆さまがチャレンジ前のすごく不安な気持ち、ナーバスな気持ち、チャレンジしている間もすごく真剣な面持ち、終わった後に場外でホっとして達成感があふれるというようなすごく素敵な笑顔を見させていただきました。
今回、私どもは『Kawaii』という賞を選ばせていただいたんですけれども、皆さん『Kawaii』ってどういう気持ちの時に言えますか?
『Kawaii』って実はすごく幸せな気持ちだったり、身近な人を愛おしいと思う気持ち、さまざまな多様性を受け入れて身近な人を見れる、というときに使う言葉だと思っています。
キティーちゃんだったり、マイメロディーだったり、すごくかわいいキャラクターの中で、すごく愛おしい気持ちのなかで、笑顔をつなぐというような世界観のなかで、サンリオピューロランドを運営しています。ぜひ、『Kawaii』があふれる空間を体験いただきたいな、というのと、皆さまの今日一日の達成感と笑顔について、明日からもまたすごく華やかで楽しい気持ちでチャレンジいただけるように、すごく応援しております。
受賞後には、副賞で頂いたサンリオキャラクターのカチューシャをつけて、喜び合っていました。
さて、肝心の総合順位は、というと…
残念ながら、今年も届かず…。
例年以上に手ごたえを感じていたメンバーたちはとても悔しそうでしたが、壇上にあがったチームたちを讃えていました。
メンバーたちの大会後の想いとは
大会後、メンバーたちに感想や来年の抱負を聞かせてもらいました。
元気な声を出せた。行き詰まったときも機転を利かせ、臨機応変に立ち回れた。わずかな差で負けたことがくやしかった。来年はベスト3には入りたい。
苦労しつつも試行錯誤しながら練習に励み、本番は緊張したが、その成果を出すことはできたと思う。(課題だった)笑顔もできました。来年は、さらに笑顔の部分が増えるよう、また大会に向けて経験を積んでいこうと思います。
3回目の出場なので、緊張しなかった。覚えたセリフを大きな声で出せた。来年は優勝を目指したい。ベスト3には入りたい。
けっこう緊張しました。緊張しながらも、大声を出せたのがよかったです。みんなで一丸となれました。来年も声を出していきたい。
(サポートメンバー)今回は特にパフォーマンスの部分で、内容を練って練習してきたため、メンバーたちの達成感に満ちた表情が印象的でした。当社は健常・障がいに関係なく共生する社会が社内カフェで叶っています。次回出場の際は「日常のおもてなし」を大切に表現したいと思います。
(サポートメンバー)今年は緊張をせず、普段の笑顔や自分たちの良さが出るように、みんなで話し合い、意見を出し合い、最後の最後までセリフや動きの変更をしながら練習をしました。3人で出場した予選がきっかけとなり、自分も出たい!と予選メンバーでなかった二人が出場を強く希望してくれたり、メンバー全員が自分の役割に主体的にかかわったことがとても誇らしかった。予選を含め、長い期間と時間をかけて練習してきたが、みんなで作り、精一杯努力したプロセスは、かけがえのないものになったと思います。
いかがでしたか?
毎年、会場にはご家族も駆けつけ、審査の際には前列でセコンドのように見守っています。カフェ常連の社員も来場してくれています。カフェでの日々の積み重ねやつながりが、こういった応援に繋がっていると感じました。
とても幸せなことですね。
メンバーたちのチャレンジは、今年も関係者全員に元気と笑顔をくれました。
いつも思うのですが、たった1杯のコーヒーに込められた想い、コーヒーがつないだ縁が、実は貴重で温かいものだということ。こういった日々の縁を大切にしたいと改めて思った一日でした。
今年も素晴らしいチャレンジを見せていただき、ありがとうございました。お疲れさまでした。
今年はパフォーマンスに力を入れ、練習をしてきました。本番では、皆緊張しましたが、実技を終えたときは達成感がありました。また、改善点も多く見つかり、有意義だったと思います。来年も笑顔を大切にしたいと思います。