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祝・ベルシステム24サウナ部発足!特別企画

コワーキングサウナを作ったサウナ部長に話を聞いたら、次世代の働き方の話になってしまった<前編>

次世代の働き方からマネジメントまで語り尽くしたサウナ愛200%の鼎談 前編

ナツママ

お疲れ現代人のみなさま、ととのってますか〜???(※)
こんにちは、ナツママです。

今日はみなさんにご報告があります。

なんと、ベルシステム24にサウナ部ができました!

サウナ好きな社員が集まり、情報共有しながら気軽に楽しむ、自由な部活動です。

以前ジモタツで紹介した、スカイスパYOKOHAMAさんへのインタビューがきっかけで、当社にもサウナ部を作ろう!ということになり、社内でひっそりと勧誘をしたところ、なんと2日間で札幌から九州まで約20名のサウナ部員が集まりました。現在も続々と増えております。おそるべしサウナの求心力。

※「ととのう」とは、サウナ浴と水風呂での温冷交代浴を繰り返すことで、血行がよくなり、身体中に酸素が行き渡ることで、自分でもびっくりするぐらい心地よい状態になること。サウナー用語。

スカイスパYOKOHAMAさんにも企業サウナ部として登録いただきました

当社サウナ部創設を記念して、文具やオフィス家具で有名なコクヨさんのサウナ部の部長であり、企業サウナ部界のレジェンド、コワーキングサウナプランナーでもある川田さんに独占インタビューを実施。前後編でお届けします!

昨今の企業サウナ部ブームの礎を作ったと言っても過言ではないコクヨのサウナ部を創設した背景、コワーキングサウナを中心に次世代の働き方やマネジメント手法までをたっぷりお聞きしてきました。

コクヨ株式会社 川田 直樹

Naoki Kawata川田 直樹

コクヨ株式会社
コクヨサウナ部部長 / フィンランドサウナアンバサダー / コワーキングサウナプランナー

幼少期からのスパ好きが高じ、全国の銭湯やサウナに詳しいエリートサウナーに育つ。施設1級建築士の資格を持ち、企業のオフィス構築などを手掛ける中、趣味と実益を兼ねて会社にサウナ部を創設し、企業サウナ部ブームの礎を築いた。2018年、スカイスパYOKOHAMAに世界初!? の「コワーキングサウナ」を設計。サウナのみならず、日本の温浴施設全体を盛り上げるべく、さまざまなイベントや活動を行なっている。

(株)ベルシステム24 川崎 佑治

Yuji Kawasaki川崎 佑治

(株)ベルシステム24
ベルシステム24サウナ部部長 / フィンランドサウナアンバサダー

当社札幌勤務のサウナと洋酒をこよなく愛すオペレーション統括マネージャー。ホームスパは札幌のニコーリフレ。社内外コミュニケーションツール改革のプロジェクトリーダーを務め、全社員の働きやすさのために様々な取り組みを進める。自らのオフィスで検証を行うなど働きやすい環境を追求するサウリーマン。

(株)ベルシステム24 平賀 洋介

Yosuke Hiraga平賀 洋介

(株)ベルシステム24
ベルシステム24サウナ部副部長 / サウナ・スパ健康アドバイザー

当社札幌勤務のラーメンと歌をこよなく愛するマネージャー。ホームスパは札幌のニコーリフレ。
川崎とともにオフィスの環境改善にも取り組み、新しいコミュニケーションツール利用の促進も行う。最近感動したのはウェルビー福岡の水風呂の温度(水温2度)

きっかけは部下の悩み相談

対談場所は川田さんが設計した、世界初!?のコワーキングサウナ@スカイスパYOKOHAMA
川田

まずはサウナ部設立、おめでとうございます。

川崎

ありがとうございます。今日は朝からサウナに入ってととのえてから来ました。

川田

あ、僕は昨日ととのってます。

平賀

二人ともいいですね。僕、出張続きで久々なんです。

川田

出張明けだとよけい、ととのえたいですよね。あとでゆっくり・・・。

平賀

はい、あとでゆっくり・・・。で、早速なんですが、コクヨさんのサウナ部といえば、企業サウナ部のパイオニアだと思うんですが、そもそもサウナとかスパって、パーソナルものじゃないですか。それを部活にするっていう発想はどこからきたんだろう、と。

川田

きっかけは部下の悩み相談なんです。それもプライベートかつ込み入った相談。会社だと周りに人が多いし、ちょっと言いにくそうにしてたんで、どーしようかなあ、と思ってたんですけど、たまたまその日に、スパ(スカイスパYOKOHAMA)に行く予定だったんで、誘ってみたんですよね。そしたらついて来てくれて。

こっちはご飯食べて、お酒飲んでから切り出そうかなとかタイミングはかってたんですけど。最初お風呂入ったんですよね。そしたらその時点で、あれだけ会社で言いにくそうだった子が、「川田さん、ぼくね・・・」と話し始めて。

川崎

あー、わかる。あれですね、炭酸泉で血行が良くなってるし、その時点でだいぶ気持ちもほぐれてるんでしょうね。

川田

そうそう。あとやっぱり裸になってるのもいいんだろうな。いつもはスーツ着たりしているけど、ぽんと脱いで、同じ姿になってるじゃないですか。

川崎

場所も変わってるけど、格好も変わってるから。

川田

そう。そこですぐ会話がはじまって。その後サウナ入ったらもうずっと堰を切ったように話し出して。

平賀

わかるなー。

川田

お風呂ならではだ、と思ったのは、炭酸泉→サウナ→水風呂ってぐるぐる移動して回るじゃないですか。場所が変わるたびに、話が接続詞から始まるんですよね。水風呂から炭酸泉で「で、さっきの話なんですけど」とか、サウナ入って「ところで」とか。おんなじ場所だと、何となく話が間延びするような時があると思うんですけど、それがないんですよ。おのずとそうなるんですよね。

川崎

自然なわけですね。

川田

そうそう。スイッチングが勝手に起きるっていう。結果、対話の質が変わったんですよね。いい意味でぶっちゃけトーク。本音の対話って僕は言ってるんですけど。

川崎

やっぱり飲みニケーションもいいと思うんですけど、選択肢がそれしかないというところも今まであった中で、そういうのは新鮮ですよね。

僕は沖縄で勤務していたことがあるんですけど、ちょうど会社の裏がビーチだったんですよ。
僕は“SSMT”って呼んでたんですけど、同じようにちょっと言いにくそうな部下の悩みがあった時には、「よし、じゃちょっとSSMTに行こう」って言って16時ぐらいに連れ出すんですよ。

・・・あ、サンセットミーティングの略なんですけど。

対談前にすでにととのっている川崎と川田さん
川田

ようやくすっきりしましたよ!なんの略だろうってすごい考えて「Sはサウナだよな・・・」と思ってたらサンセット。(笑)

川崎

そうそう。サンセット。波の音を聴きながら砂の上を歩いて、「どう?」と一言言うと、「いや実は・・・」と始まるという。なので場所を変えると気分がほぐれたりするとかっていうのはすごいわかるなっていうか。

川田

それ、実は共通の要素があって、 自然と人間が一体化している“寄り添っている”空間なんです。

川崎

あー!なるほど。ホントだ。

川田

このコワーキングサウナを設計するときもまさにそこは意識したんですけど。オフィスっておのずとスチール家具とか、堅い雰囲気になりがちです。でも最近では、リラックスできるリビングテイストな家具を配置したり、植栽を多く配置したり、気分転換をしながらコミュニケーションが図れる工夫を行っているんです。

自然と人間が寄り添うことで、リラックスした空間を作って、そこで生まれる対話がアイディアにつながってというのが、最近増えている。

川崎

リラックスとかコミュニケーションできる空間が、企業活動、企業価値を高める上でも大事だということで、経済産業省が「健康経営オフィスレポート」(※下記参照)を公表してますよね。

川田

取り入れづらいという背景もあったんですよね。防炎など建築基準的な制約もありますし、ビジネスとリラックスが関わるっていう発想があんまりなかったんでしょうね。

で、そういう視点でお風呂で自然と人を一体化できるのが、サウナだと思ってて。

平賀

おおー。何か、サウナの捉え方が、アプローチが全然違いますね。さすが。

【参考】経済産業省HP 健康経営
健康経営オフィスレポート

共通の言語を持ったグループの働きっぷりがどう変わっていくのかを見てみたいなと(川田)

会社が大事だというコミュニケーション。そのきっかけを作るのは意外に難しい、と語る川田さん
川崎

それで「サウナっていいな」になって、そのあと、サウナ部を名乗ろうという瞬間があるわけですよね。

川田

そう。最初なんて3人でしたからね。それでサウナ室でサウナ部とかできたらどう?みたいに話しをしてて。敷居が下がってると言いやすいってあるじゃないですか。でも同じことを会議室で言うと、何々?どうした?みたいになる。

川崎

会議室だとねー、ちゃんと準備して発言しているように見られちゃう。

川田

そうそう、でもサウナ室なら、ジャストアイディアでもいいじゃないと。サウナ部ってどう思う?みたいな。それで「ステッカー作ってよ」みたいな話をしたんですよね。そしたら、その日のうちにデザインを完成させてくれたんです。

会社でお願いされると、別に嫌なわけじゃないけど仕事として捉えてるじゃないですか。それよりも、こんなに生き生きと進めてくれて、しかも納期も超早い。意欲的でポジティブな姿勢がどんどん伝わってくるんですよ。

『これ、なんやろな』って不思議だったんです。これを仕事に取り組めたら面白いな、とかずっと考えてて。

そこで一見かけ離れた、働くことと、自分の趣味として大好きだったサウナを一緒にしてみたらどうなるんだろうというアイディアに繋がったんですよね。

川崎

3人でサウナ部やろうぜってなるのはわかるんですけど。それがどんどん大きくなっていくっていうのはどういうことなんですか。

川田

サウナ部がいいというよりも、そういうコミュニティを作りたいな、と思ったんですよ。共通の趣味なり、言語があるグループを作ることで、そのグループのコミュニケーションの質とか、日々の仕事の働きっぷりがどう変わっていくのかを僕は見てみたいなって。

川崎

ある種の社会実験的な?

川田

いや、そうなんです。僕は人生、トライ&エラーだと思ってて。

平賀

人生、トライ&エラーですか。なんかカッコイイなあ。

川田

会社ってコミュニケーションが大事だ大事だって言うけど、じゃあ、何をきっかけにするかって言うと意外に難しい。そこを共通言語でハードルを下げるっていうか。

川崎

確かにきっかけが何もないと、お日柄もよく・・・、みたいな感じになっちゃうよね。共通言語を作るとコミュニケーションしやすい土壌が出来るっていうことなんですかね。

川田

そう。例のステッカーをみんなPCに貼ったんですけど、そういう仕掛けをしてみたら、通りすがりの人たちが「実は個人的にサウナ好きなんだよね」みたいな隠れサウナーがめちゃめちゃいっぱいいたんですよ。

川崎

みんな隠れてますよね。あれ、なんで隠れてるんでしょうね。(笑)

川田

そもそもスパとかサウナってプライベートで、すごいパーソナルなものですよね。友達同士でも本当に近い人とだけ、要は裸を見せ合えるかみたいな概念が強かったじゃないですか。仕事と繋がるって思わない。

バブルサウナの時代は終わった。部の活動はそれぞれの楽しみ方で気軽に

川田さんのPCにはサウナや銭湯の関連のステッカーだらけ
平賀

コクヨさんのサウナ部の活動は、どんな感じなんですか?

川田

毎月1回は次にどこに行こうっていうのを決めて、グループLINEで連絡取り合って。来られる人は集まってください、くらい。ライトユーザーも全然OK。ガチガチに強制するのは好きじゃなくて。

平賀

「サウナ週3必須」とか、イヤですよね。

川崎

そうね、自分の体に向き合うのがサウナですから。体調に合わせて水風呂にどれだけ浸かってても、いつサウナ室を出ても、一人でも大人数でも良い。やっぱそこは自由度がないとね。

川田

最初サウナ部を始めたときに、やっぱりちょっと乗り気じゃない人がいたわけですよ。「私暑いのが苦手で」と。で、「でもやっぱりサウナ部長にもなると30分ぐらい入られてるんですよね?」みたいな。

いやいやいや、それは昔のバブルサウナだから!と。

川崎

(笑)バブルサウナ!

川田

そう、バブル時代のサウナをバブルサウナって言ってるんですけど。
ギャンブルと酒とサウナがセットみたいな時代の名残があるんですよね。いやいや、もう時代変わってるよと。すごく清潔だし、ヨガしたりジョギングしたり、アメニティも揃ってるんだよって言うんですけど。

川崎

そう!前回の記事が出たときにスパの内装を見た多くの女性から言われたのが「おしゃれですね。イメージ違いますねっ」って。イメージと全然違ったみたいなんだよね。

サウナと我慢が文脈として結びついちゃってるんですけど、実はその文脈はもうない、古い。仕事と我慢もこれもやっぱり結びついてたんですよね。それも捨て去りたいし、仕事とサウナを結びつけたいよね。

川田

僕が提唱しているワークサウナバランス、これをスパイラルさせていきたいんですよね~。

オフィスでもない、カフェでもない、ここなら自分に向き合える

新しい働き方を実現する場所はどこだ?あ、ここだ!と
平賀

サウナ部設立からついに、ここ、今僕らがいる、コワーキングサウナを作ってしまうわけですよね。

川田

そう、コワーキングサウナ、作っちゃいました。コクヨって文房具のイメージが強いと思うんですけど、もう一つの大きな柱が空間構築なんです。僕らは自分たち自身もモデルになって働き方を追求して、検証するということをやってます。

日頃から仕事をカフェでしたり、どこに行くのも全部トライアルに近い。だからここも、自分とサウナ部のコアメンバーのために作ったっていう感じで。私はもう「究極の公私混同」って言ってるんですけど。

川崎

人生、トライ&エラー。

川田

そうそう。最近、グローバル企業で採用するケースが増えているワークスタイルに、ABW(※)という概念があるんです。いまやるべき仕事に対して、いつ・どの場所でやるのが最も効率がいいかを自分で決めることができる。その時のマインドによって、適した場所に移動してどこでも働けますよっていう概念なんですが。

※「Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」の略。「時間」と「場所」を自由に選択できる働き方のこと。

そうなってくると、働く場所の選択肢がいろいろ出てきてくるわけですけど、カフェやコワーキングスペースだけじゃない、もっと「とんがっているもの」が出てきてもいいと思ってるんですよね。

例えば海外の事例で言うと、ボルダリングにワークスペースをつけたものがある。ボルダリングしているときって戦略思考で、ビジネスとよくマッチするそうです。

平賀

へえ~、脳の似たような部分が刺激されるんでしょうね。きっと。

川田

そうそう。サウナもすごくビジネスと相性がいいんですよね。サウナ室の中で新しい発想が生まれたりするっていう。

例えばね、「何でこの会社で働いてるんだっけ」とか「5年後どうなりたいんだっけ」みたいな自分と向き合うようなことをオフィスで考えたとします。
『30分ぐらいデスクでぼーっと考えごとしますね』とかって言えないじゃないですか。”考え中”っていうサインが出れば話しかけられないけど、普通は「今ちょっといいですか」とか言われちゃいますよね。

じゃあオフィス以外でできるかと言うと、家に帰っちゃうと家族がいたり、娯楽がいっぱいあるし、実はなかなかそういう時間にならないわけです。

平賀

家はダメですね〜。飲んじゃう。

川田

そう。じゃあどこで自分と向き合い、アイデアやビジョンを整理すればよいんだろう。そういう場所はどこにあるのかな、ってリニューアル前のこの場所でずっと考えてたんですよ。

そしたら「ん?いやいや、それ今ここや」って気が付いて。(笑)

自分に向き合ってアイデアを整理するのにサウナは向いていると川田さん
川崎

(笑)今いるじゃない、と。そこで繋がったんだ。

川田

そう!それでふと周りの景色を見たら、まさにレストランゾーンで3人ぐらいがパソコンを開いてカタカタ叩いてたんですよ。そこからいろいろ調べて動き出したんですよ。

川崎

それをスカイスパYOKOHAMAの社長に提案したわけですよね?

川田

そう。その時は確かですね・・・。

平賀

あの、すいません、みなさん。実はですね、今11時50分なんです。

ということはですね、あと10分で12時からのアウフグース(※)が始まるということでして。

川崎

!!それはね、もう超大事。ととのわないと。

川田

それは行かないと。だって、アウフグースやってくれる担当者にもLINEで12時に行きますって言ってあるから。(笑)

平賀

(笑)ですよね!じゃ、一旦、ととのいに行きますか!そのあとまた話聞かせてください!

※アウフグース:サウナストーブで熱した石に水をかけ、蒸気を発生させ、タオルなどで拡散。利用者に熱波を送り一気に深部体温を上げるプログラム。短時間で大量の発汗。部屋全体がアロマの香りに包まれ、リラクゼーション効果も高い。

スカイスパYOKOHAMA
www.skyspa.co.jp
横浜市西区高島2ー19ー12 スカイビル14F(“マルイシティ横浜”同ビル14F)
TEL 045-461-1126 FAX 045-440-1088
営業時間:10:30~翌朝9:00(22.5時間営業)・年中無休※浴室のご利用は朝8:30迄※中学生以上のみ利用可
宿泊:可 / 入浴料、施設利用料: https://www.skyspa.co.jp/charge/

いかがでしたか?

人と自然が一体化してリラックスできるよう計算された空間だったからか、サウナ室で話しているような気分になったからなのか、初対面のみなさんがスタート5秒後には打ち解けて自動的に進む対談。もう誰も止められない状態に。(でもアウフグースの時間は忘れない)

いつの間にかゼロ距離。

意気揚々とアウフグースに連れ立って向かう彼らの後ろ姿を見ながら、人と人との距離が自然と縮まることこそがスパやサウナの魅力なのかな、と実感した鼎談でした。

後編では気になる「コワーキングサウナ提案時の周囲の反応」「今の反響」から、コワーキングサウナを代表する「ワーキングスタイルに合わせてどこででも働ける」次世代の働き方におけるマインドまで、ととのった彼らが語り尽くします!果たしてコワーキングサウナは受け入れられたのか?そしてそれを活用するにはどんなマインドが必要なのか?

サウナは世界を変えるのか??ぜひご覧ください!

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