たこ焼き・いか焼き・お好み焼きにカップめんまで!大阪グルメを満喫したら、店内の小ネタにも注目を!
アンテナショップ探検隊、第7回は大阪の名産品を取り揃えた「浪花のええもん うまいもん 大阪百貨店」に行ってきました!
今回やって来たのは、またしても有楽町の東京交通会館。探検隊にとってはもうおなじみのスポットですが、実はここに、まだチェックしていなかった強力アンテナショップがあるのです! その名も「浪花のええもん うまいもん 大阪百貨店」。名前が示す通り大阪のアンテナショップなのですが、他のアンテナショップとはちょっと雰囲気が違っていて、下町の駄菓子屋とか食堂のイメージ。しぶ~い外装やレトロな店内の演出は、ずっと昔からそこにあったのではないかと錯覚させるほど。
しかも店内には大阪名物のたこ焼き、いか焼き、お好み焼きの「コナモン」はじめ生ビールやハイボールが楽しめるイートインコーナー「大阪バール」があるので、そこらじゅうにいい匂いが漂っていて、食欲を直撃してくれます。
う~ん、さすがは「くいだおれ」と称されるB級グルメの聖地だけのことはありますね。おいしい誘惑と闘いながら、お話を伺いました。
こちらのショップ、年季の入った外観ですがオープンしたのは2011年といいますから、交通会館の中ではどちらかと言えばニューフェイス(?)。7月28日、「ナニワの日」にオープンしたそうで、しっかりこだわってますね~。自治体の公式アンテナショップではなく、ホテルやリゾート、飲食店チェーンを展開するカトープレジャーグループが運営しています。広報担当の谷口さん、前田さんにご案内していただきました。
なかなかユニークな店構えですよね?
「そうですね。大阪の下町の、古くからおばちゃんがやってる食堂をイメージしました」と谷口さん。第一印象、そのまんまでした(笑)。
「スタッフに大阪出身の子がいたり、店内のBGMはFM大阪だったり、大阪らしさを感じていただけるように工夫しています」とのこと。
大阪らしさって、どういうところなんでしょう?
「もともと天下の台所と言われるように、食にこだわりがあることはもちろんなのですが、そのベースには商都として日本中、世界中のものが集まり、それを加工して商いにつなげるという商人文化がありますね。それとご存じのように、ヨシモト的な “受けてナンボ” の関西ノリが加わって、庶民のパワーがみなぎっているのがナニワ流です」。
東京と大阪、ひいては関東と関西はいろんな意味で対照的ですが、食べ物ひとつとっても大阪はホンネ文化という気がします。東京のお店はおしゃれで気取ったお店も多いですもんね。
「大阪ではどこへ行っても、安くておいしい店があたりまえのようにあります。というか、そうでない店はなかなかやっていけないかもしれませんね」。なるほど、大阪の食べ物は舌の肥えた大阪人を相手に鍛えられてるんですね。
そんな大阪から直送された名産品の数々が所狭しと並べられた店内で、最初に目に入ったのがカップめんコーナー。ん? なぜカップめん?
「こちらに置いてあるのはすべて、関西バージョンの味になっています」と谷口さん。同じブランドのカップめんでも、関東はカツオだし、関西は昆布だしという違いがあるので、大阪で売られているカップめんは東京のものとは違う味になっているのだそうです。その味が東京でも手に入る、というわけですね。
カップめんコーナーの中でも人気なのが「なにわの焼そば」だそうで、パッケージからしてなかなかのインパクトです。大阪の食文化と言えば、小麦粉を使った「粉もの(大阪ではコナモンと言います)」と、とにかくソース!というイメージがありますが、お好み焼きと焼きそばはその両方を備えた代表格ですもんね。
その、ソースの充実ぶりも特筆もの。大阪ではたこ焼き、焼きそば、お好み焼き、串カツにそれぞれ専用のソースがあるのです! ヘルメスのウスターソース、とんかつソースは浪花っ子の定番ですが、大黒屋の「お好みソース」、鶴橋風月の「特製焼きそばソース」などにもファンが多く根強い人気があるとか。変わり種では「激辛スパイスソース」や「いちじくソース」なんていうのもあります。
さて、そんなコナモン&ソース文化に負けないくらいスペースを占めているのが数々のお菓子。駄菓子屋ふうの店内に、なつかしの味から高級チョコまで、こちらもご紹介しきれないほどのラインナップです。
お菓子部門の人気ナンバー1は、大阪では超有名な「呼吸チョコ」。芸能人にもファンが多く、東京ではここでしか手に入らないレア商品とあって、店頭の専用コーナーに置かれています。ユニークなネーミングは、「息づくほど新鮮なうちに味わっていただきたい…」との願いからだそう。アーモンドをマスカルポーネチーズ入りのホワイトチョコで包み、ココアパウダーでコーティングした元祖「ティラミスチョコ」です。定番のココアのほか、抹茶ときな粉、コーヒーのバリエーションがあり、毎年期間限定でイチゴ味なども登場します。
「当初、販売先を北新地のナイトクラブに絞っていたのが徐々に口コミで広まって、今では大阪土産の定番になっています」と前田さん。全国菓子大博覧会の栄誉金賞、名誉総裁賞を受賞しており、ショコラティエがひと粒ひと粒手作りしているといいますから「ほんまもん」ですね!
高級チョコと庶民の味が、仲良く並んでいるのも大阪っぽいですね。
「満月ポン」は、大阪で昔から親しまれている小麦粉のおせんべい。お米のせんべいとは違うサクッとした歯触りに、秘伝のしょうゆ味がどこか懐かしさを感じさせます。こちらも人気で、売り切れてしまうこともあるそうです。
箕面市に伝わる伝統銘菓「もみじの天ぷら」というのも発見。よくある、もみじの形をしたお菓子ではなく、なんと本物のもみじの葉を使っているのだそう。1年以上、塩漬けにしたもみじに衣をつけて揚げてあり、かりんとうのような食感とやさしい甘さが楽しめます。手作りなので大量生産できないところも魅力とか。
暑い季節の駄菓子屋…と言えば、かき氷やアイスキャンデーですよね。それに加えて大阪では、「ひやしあめ」という飲み物が古くから愛されています。冬場に飲む「あめ湯」を冷たくして飲むのですが、生姜が利いていてさっぱりした飲み口は意外にハマるかも? 大阪では濃縮タイプを常備している家庭が多いそうです。氷水で割ったり、ハイボールとして飲むのもおすすめ。
もちろんアイスキャンデーも夏の定番。大阪・戎橋筋で昭和20年創業という老舗「北極」の手作りアイスキャンデーはこちらでも大人気です。
さて、どうしても外せないのがコナモン界のスーパースター、たこ焼きですね。こちらのショップにはもちろんお土産用の冷凍たこ焼きもあるのですが、せっかく店頭で焼き立てを味わえるのですから、ここはぜひ食べていきたいもの。
大阪のたこ焼きは、何と言っても「だし」が決め手!というのは、たこ焼きの達人?たちが口を揃えるところ。外はカリッと、中はふんわりトロトロが特徴なんです。したがって出来たては、驚くほど熱い! うっかり口に放り込んでしまったら、しばらくはハフハフして口もきけません(笑)。
当然ながらイートインコーナーでも一番人気。一日400人前売れることもあるそうです。地ビールやハイボールのおつまみとしても最高!
探検隊もしっかり、ごちそうになってきました。さすが、ふだん東京で食べるたこ焼きとは一味違いますね~。
イートインコーナーではたこ焼きのほかにも、名物「いか焼き(イカの姿焼きではなく、小麦粉にゲソが入ったクレープ状のファーストフード)」や「ドテ焼き(こちらは牛スジ肉を煮込んだもの)」、それにもちろんお好み焼きや豚まん(関西では肉まんではなく豚まんと呼ぶ)も食べられます。大阪名物、ミックスジュースもありますよ。大都会東京のど真ん中で、至福のB級グルメを満喫できるスポットとして意外な穴場かも?
大阪のもう一つの顔、「笑かす」精神も店内のそこかしこにあふれています。吉本グッズやキャラクター商品、しゃれの利いた冗談商品の数々は、ぜひ実際に店頭でお確かめください。探検隊も「ヨクスベ~ル」を買って帰ります(笑)。
大阪人はノリが良くて人情に厚く、サービス精神旺盛。気取らず「なんでやねん!」とツッコミまくって仲良くなれる空気感が独特です。今回の取材でもすっかりリラックスできた探検隊、いつかは本場のくいだおれツアーを体験したいものだと夢見ながら、お持ち帰り用のたこ焼きをオーダーするのでした(笑)。