伊豆諸島・小笠原諸島の多彩な魅力をお届けします!島グルメに島酒、各島ごとに異なる個性を楽しもう!
アンテナショップ巡りを通じてジモトの魅力を探る探検隊。第6回は東京の島々のアンテナショップ、「東京愛らんど」を訪ねてきました!
今回はちょっと異色なアンテナショップにお邪魔しました。自治体のアンテナショップといえば大半が都心にあって、全国各地の名産・特産を扱っていますが、今回はなんと東京のアンテナショップ。「えっ? 東京に東京のアンテナショップ…?」と思ったでしょうが、東京は東京でも「東京愛らんど」。アイランド…つまり行政区分が東京都となる島しょ部、伊豆諸島・小笠原諸島の魅力を発信するためのスポットです。
ご存じない方も多いと思いますが、東京の南には約200もの島々が点在し、それらがすべて「東京都」の管轄となっているのです。人が定住している島だけでも11島ありますが、いちばん近い大島(約100km)からいちばん遠くの小笠原の母島までは約1000kmもあるので、東京から九州までと同じくらい離れているんですね。ちなみに小笠原の緯度はほとんど沖縄と変わらないそうです。もちろん気候も亜熱帯気候で、都心とはまったくの別世界。小笠原まで行くには、船で片道24時間以上かかるんです!
これらの島々には定期船が就航していますが、その玄関口となるのが東京・港区の竹芝桟橋。というわけで、今回お伺いした「東京愛らんど(TOKYO ISLANDS SHOP & CAFE)」は、ゆりかもめの竹芝駅に直結した、竹芝客船ターミナルの中にあります。待合室に隣接しており、最終の船が出る22時30分(夏場は23時)まで営業しているとか。
美しい自然と豊かな海洋資源に恵まれた伊豆諸島・小笠原諸島には、その一方で自然災害や特異な歴史的経緯と向き合ってきた背景があります。その特性を生かした自立と発展を目指して、島しょ9町村と東京都が設立した公益財団法人「東京都島しょ振興公社」が「東京愛らんど」を運営しています。
今回は店長代理の佐々木さん、振興公社の坂入さんと新島さんにご案内していただきました。新島さんは小笠原のご出身とか。
同じ東京都の島でも、2時間で行ける大島や新島と違って小笠原は距離も離れているし世界自然遺産だし、ちょっと別格ですよね?
「そうですね。私たち、修学旅行で東京に来ましたもん(笑)。東京に来たら島と違って24時間、どこかで音がしているので驚きました。島の夜は自然の音以外は、本当に何の音もしないので」と新島さん。
手つかずの自然が残されているからこその世界遺産ですもんね。南の島ということで連想するのはトロピカルフルーツなんですけど。
「けっこう、そこらじゅうにありますよ(笑)。とくに愛らんどには、生のパッションフルーツが入荷するので大人気です」とのこと。ふむふむ。
そういえば入り口正面のカゴに、なんだかキウイのようなタマゴのような果物が並んでいましたっけ。近づくと、独特の甘い香りが……わ、一気に南国ムード。
パッションフルーツにはビタミンやポリフェノールなど美容にいいとされる成分がたっぷり含まれていて、近年ではアンチエイジング効果が注目されているのだとか。あの藤原紀香さんも毎年、小笠原のパッションフルーツを取り寄せているとブログに書いてましたもんね。なかなか生では手に入らないみたい。
完熟状態で入荷するのでそのまま食べられますが、表面がシワシワになるくらいまで追熟させるとさらに甘みが引き立つそうです。パッションフルーツやグァバを使ったジャム、ジュース類も豊富に品ぞろえされていました。
美容効果と言えば、伊豆諸島はツバキ油で有名ですよね。アンコ椿の大島をはじめ、島の80%が椿の木に覆われているという利島でも椿油を使った製品がたくさん作られています。もちろん愛らんどにも椿油コーナーが。
化粧品や高級食用オイルに使われる椿油。オレイン酸を豊富に含み、酸化・変質しにくいという性質があります。近年、注目されているのは非加熱製法で精製された「生」の椿油なのだそう。よく知られたヘアケア以外にも抜群の保湿効果を生かしたハンドクリームやネイルケアなどの美容アイテムが充実しています。
健康野菜として知られる「明日葉」加工品のコーナーや、郷土料理百選にも選ばれた独特の香りが特徴の干物「くさや」コーナーなど、東京の島々ならではの特産品が並べられ、そのバラエティ豊かなラインナップに目移りしてしまいます。迷った方には「くさや食べくらべセット」もありますよ。ただし強烈なニオイですので、初心者の方は心してお試しあれ(笑)。
お酒のコーナーには「島酒」のポスターが。島酒って、何ですか?
「島々の地酒で、代表格は焼酎です。島によって特産の焼酎があり、それぞれ個性がありますね」と坂入さん。最近のお気に入りは芋焼酎と麦焼酎をブレンドしたものだとか。日本で最も人口の少ない村(200人に満たない)として有名になった絶海の孤島・青ヶ島に代々伝わる幻の焼酎「あおちゅう」にも人気があるそうです。「島流し」「嶋自慢」といったユニークなネーミングの焼酎も。また、南国小笠原ではサトウキビも取れるので、ラム酒も名産になっています。この夏のオススメは、小笠原特産の島レモンを使った瓶入りの「島レモンチューハイ」とのこと。
さて、東京愛らんどには「SHOP & CAFE」という名の通り、カフェ&レストランコーナーが併設されています。メニューはもちろん、島の食材をふんだんに…と言いたいところですが、島々の特産品には島唐辛子(激辛!)、くさやなどの個性的な食材も多く、万人向けとは言えないのでフードメニューとしてはあえて提供していないそう。ムロアジのすり身を使った「ムロアジメンチバーガー」など、どちらかというとファーストフード感覚のメニューが人気なのだとか。
「島唐辛子は本当に辛くて、初めての方はびっくりされるかもしれません。その分、やみつきになる人も多いので、ラー油や自然海塩など島の調味料をセルフサービスでお使いいただけるように用意しています」と店長代理の佐々木さん。
佐々木さん自身は辛いものがお好きなのだそうで、「薬膳島辣油」と「オガスコ」をお勧めしていただきました。ん? オガスコって何?
「小笠原の島レモンに島唐辛子をブレンドしたレモンソースです。小笠原のタバスコといったところですね」と佐々木さんが説明してくれました。辛いもの好きな方はぜひ、チャレンジを!
フードコーナーで試食してみて、気に入れば隣の特産品ショップで買って帰れるのはとても合理的ですね~。中には箱買いするほどハマってしまったリピーターの方もいるとか。島の出身者ばかりでなく、最近は近隣のオフィスのサラリーマンにも、ランチなどでの利用をきっかけにファンが増えているそうです。
なんだか食べ物の話ばかりになってしまいましたが、伊豆諸島・小笠原諸島の最大の魅力は、何と言っても自然環境にあることは言うまでもありません。高速船で日帰りも可能な大島、サーファーに人気の新島、バードアイランドとして名高い三宅島、イルカと一緒にダイビングが楽しめる御蔵島、そしてホエールウォッチングなどなど、島々の楽しみかたを語り始めたらいくら時間があっても足りないので、ぜひ実際にお出かけになってみてください。まずは「東京愛らんど」ホームページで情報収集を!
https://www.tokyoislands-net.jp/
リニューアルされたばかりのホームページには各島の特徴やアクセス、ショップ情報が満載で、特産品のオンラインショッピングも可能です。ショップに伺うまでは島の名前の読みかたにも迷っていた探検隊でしたが、すっかり「島のツウ」になった気分の帰り道でした。