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【ポッドキャスト】「名言いかがですか? ~笑って学ぶ神ことば~」

第52回 言語学者川添愛さん登場! お笑い芸人の名言特集

今日から使える「名言」をクイズ形式で学ぼう!第52回目 ?言葉のプロから見るギャグの面白さとは!?? 

なかのひと

歴史上の偉人、現代を生きる著名人が語った数々の名言を、 クイズ方式で笑って学ぶポッドキャスト番組、「名言いかがですか? ~笑って学ぶ神ことば~」

コールセンターに届いた、つい吹き出しちゃう謎名言、思わずホロっとくる泣き名言も、速報が入り次第ご紹介していきます!

お相手は、松竹芸能所属のお笑いコンビ、コーヒールンバの平岡佐智男と西原朗演でお送りします。

今日学んだ名言をきっかけに、明日、誰かとの会話がはずんだら嬉しいです!

平岡

さぁ、始まりました。「名言いかがですか?~笑って学ぶ神ことば~」今日学んだ名言をきっかけに、明日、誰かとの会話がはずんだら嬉しいです!今日はなんとゲストをお迎えしています!言語学者の川添愛(かわぞえ・あい)さんです!よろしくお願いいたします!

川添

川添です。よろしくお願い致します。

西原

よろしくお願いします。

平岡

よろしくお願いします。来ました。川添さん。

西原

ついにお越しいただいきました。

平岡

言語学者という事で、後々お話をお伺いしたいと思いますけども早速、ご経歴を紹介させてください。長崎県のご出身である川添さんは、九州大学文学部言語学科を卒業されたのち同大学院、南カリフォルニア大学、また京都大学院で理論言語学を専攻。国立情報学研究所 社会共有知(きょうゆうち)研究センター特任准(じゅん)教授を務められ、現在は言語学や情報科学の専門家としての知識をいかし、作家としても活躍されています。すごいですね。ちなみに言語学とは、どんな分野になりますか?

川添

そうですね。言葉にまつわる学問全般って感じですね。かなり、いろんな分野が入ってます。

平岡

言葉にまつわるものだったら、全部という感じですね。

西原

今日スタートからまだ、何分かしか経ってないんですけど、我々が使ってる言葉が間違ってるかチェックされている可能性ありますよ。

川添

それはないです。大丈夫です。 笑

平岡

そういう事じゃなくて、学問ですもんね。言葉についての研究をされていて、作家としても活躍されているという事で、本の方も何冊か読ませていただき、大変面白く読ませていただきました。俺、本読み慣れてないから読むの時間かかるかなと思ったんですけど、会話してるぐらいの感じでスーッと読めました。

西原

我々でも分かるような優しい書き方をされていて、僕らでも面白く読むことができましたよね。

平岡

なんか、喋ってくれているような感じで。すごい読みやすかったです。ありがとうございます。

川添

嬉しいです。ありがとうございます。

平岡

ということで早速、川添さんチョイスの名言や、言語学にまつわるお話も伺いますよ。どうぞお楽しみに!

お笑い芸人の名言特集・第2弾!ギャグのフレーズ

平岡

それでは早速、今回の名言なんですが・・・、いつもは名言の一部を中抜きして、クイズ形式で出題し、西原さんと一緒にどんな言葉が入るのかを考えていますが・・・。今回は、特別企画として「お笑い芸人の名言特集・第2弾!ギャグのフレーズ」をテーマに、川添さんが“言語学”の視点から「これは面白い」と思うギャグのフレーズがどれなのか!?をクイズにし、3択の中から選んでもらいたいと思います!これすごいですね!普段からギャグを聞いてて、「あれ?」って思うことがあるという事ですもんね?

川添

そうですね。お笑いは特に「あれ?」と思うことが多いですね。

平岡

お笑い芸人は変わったことしますからね。やっぱり分析されると「おや?」っと思うんですね。川添先生が「面白い」と思ったフレーズはどれなのか当てて頂くという事で、西原さんと一緒に皆さんもお考え下さい!

1問めはこちらの方!志村けんさんの名フレーズ

1950年生まれ・埼玉県東村山市出身。ザ・ドリフターズのメンバーとして、またソロでもコメディアン・お笑いタレント・司会者として、いまだに日本中に親しまれている伝説の方ですよね!!そんな志村さんが残されたワードはたくさんあると思いますが。以下の3つの中で、川添さんがチョイスされたギャグのフレーズはどれでしょうか!?

①「アイーン」

②「そうです、私が変なおじさんです」

③「だっふんだ!」

平岡

さてこの中から、川添さんが1番“言語学”の視点から注目されているのはどのフレーズでしょうか?!皆さんお考え下さい!

これはもう、皆さん知っているフレーズですけど、「おや?」と思う所があったという事ですね。

川添

そうですね。

平岡

3つともどれも聞き馴染みがありすぎて、「おや?」と思う所が全部ありそうな感じはしますよね。

西原

ちなみに、ひとみばあさんの「あんだって?」は入ってないんですね。

川添

それも面白いですけどね。

平岡

この中の二つは、「面白い」。もう一つは言語学の観点からみると「おや?」と思うギャグのフレーズということですね。さあ、どうでしょうか?西原さん。

西原

一番インパクトが強いのは、これなんじゃないかなっていうのがありますけどね。

平岡

目星がつきましたか。それではいってみますか?西原さんお答えください!どうぞ!

西原

「だっふんだ!」

平岡

おお~。俺も、「だっふんだ!」だった。歯切れの良さというか、言葉が一番不思議なのが「だっふんだ!」だったから。西原さんもこれを選びますか。それでは、川添さんお答えお願いします!

川添

答えは、「そうです、私が変なおじさんです」

平岡

おお~!

西原

ええ~そうなんですね。

平岡

こちらはテレビ番組「志村けんのだいじょうぶだぁ」で登場した、奇妙奇天烈な中年男性のキャラクター(笑)が発する一言で、その後「変なお〜じさんだから変なお〜じさん♪」と踊り出すのがいつものパターンでしたが・・・。川添さん、こちら、言語学的にはどんな面白みがあるのでしょうか??

川添

面白いのは、「私が変なおじさんです」の「が」の部分です。これってどういう文脈で出てくるかというと、警官が変なおじさんに「何だ君は!」というんですよ。それに対して、「なんだ、ちみはってか!」てなことを言って「そうです。私が変なおじさんです」って言うんです。普通「何だ君は!」と聞かれたら、「私は○○です」のように、「は」を使って答えますよね。しかし志村さんはなぜかここで「が」を使っていて。「私が○○です」と名乗る時ってどういう時かというと、すでに自分の名前を知っている人たちばかりいて、その中で満を持して「私が◯◯です」と自己紹介するときなんです。みんな「○○だ」って名前は知っているんだけど、「私がその○○ですよ」「有名な○○ですよ」みたいな感じなんですよね。

平岡

確かに。「ご紹介に預かりました・・・」みたいな感じですかね?

川添

そうです。そういう文脈がある時は言えるんですけど、明らかにこの「変なおじさんの登場」の文脈で言うとおかしいと。変なおじさんの頭の中ではたぶん、「みんな「変なおじさん」という名前を聞いたことがあるでしょう?何を隠そう、私がその有名な「変なおじさんなん」ですよ!」という思考回路が働いているのだと思います。そう言う意味でも、「変なおじさん」だということがよく伝わる言い回しだと思います。

平岡

変なおじさんってなんか漠然とした言葉ですよね。皆さんの頭にいる「変なおじさん」像があると思うんですけど、「そうです。私がその“変なおじさん”なんです」っていう意味かもしれないですね。

川添

そうですね。「皆さんの頭の中の“変なおじさん”を体現したのが私です。」みたいな感じですね。

平岡

そういう意味の化身です、みたいなことか。

川添

そういう意味でも「変なおじさん」なんだなって思いました。

西原

すごいですね。「は」と「が」でこうも違ってくるんですね。

平岡

伝わり方が違ってきますよね。「私“は”変なおじさんです」っていうよりも、「私“が”変なおじさんです」の方が面白みが増すんですね。「そうです。わたすが」って言ってましたもんね。(変なおじさんのモノマネ)

西原

そこは気持ちの問題でしょ!笑

川添

「そうです」の部分もかなり変ですよね。何が「そうです」なんだっていう 笑

平岡

だいぶ省略してますよね。なるほど、そう考えると「アイーン」とか「だっふんだ!」っていうのもおかしいのかなって思いがちですけども、「私が変なおじさんです」の面白さが増してきますね。西原さん、こういう事です。 

西原

ちょっとギャグを丸裸にされた気分です。

平岡

とても深い考察ですよね。もしかしたら、志村さんは一言一句考えてコントをやってるんでしょうね。

西原

面白いですね。

平岡

そうね。こういう感じでギャグのフレーズについて考えたことなかったんで、面白いですね。ありがとうございます!それでは2問めまいりましょう!ここ最近の印象的なギャグのフレーズ(エコー)。先ほどはお笑い界のレジェンド、志村けんさんのフレーズでしたが、今度はここ数年で話題になったギャグ、3つの中から、川添さんが“言語学”の視点から「これは面白い」と思うギャグのフレーズがどれなのか!? 選んでみてください!

3択はこちらです。

①なかやまきんに君さんの「パワー!」

②錦鯉さんの「こ〜んに〜ちわ〜!」

③とにかく明るい安村さんの「はいてますよ!」

平岡

さてこの中から、川添さんが1番“言語学”の視点から注目されているのはどのフレーズでしょうか?皆さんお考え下さい!西原さん、もちろんこのギャグはご存知ですよね?

西原

もちろんです。ちなみに私のギャグの、「やることまんさい、野村萬斎(のむら・まんさい)」ってのは入ってなかったですか?

川添

平岡

…あなたのギャグなのか分からないですけど、入ってないです 笑

西原

入ってない?

平岡

はい。言語学的にも入ってないです。自由にお使いください。

西原

はい 笑 

平岡

なかやまきんに君さんの「パワー!」、錦鯉さんの「こ〜んに〜ちわ〜!」、とにかく明るい安村さんの「はいてますよ!」という事なんですけども、どうですか?西原さん。

西原

あえてこれなんじゃないかなっていうのは、思いつきました。 

平岡

なるほど、西原さん、お答えください!どうぞ!

西原

錦鯉さんの「こ〜んに〜ちわ〜!」

平岡

なるほど。あえての錦鯉さんですね。

西原

なんてことない「こ〜んに〜ちわ〜!」ですね。これが何で流行ったのか。もしかしたら、言語学的に何かあるんじゃないかと。

平岡

分かりました。それでは川添さん、お答えお願いします!

川添

答えは、「はいてますよ!」

西原

え~!

平岡

「はいてますよ!」ですか。言語学的に?

川添

そうですね。言語学的に。

平岡

「安心してください。はいてますよ!」これが、言語学的に「おやおや?」となったわけですね。ということで西原さん、不正解となってしましました。ちなみに、先日、イギリスのオーディション番組でも話題になった、とにかく明るい安村さんの、一瞬裸に見えるネイキッドポーズ。「安心してください、はいてますよ」は世界でも通用することを証明しました!こちらも言語学的に興味深いということなんですが、どういうことなのでしょうか?

川添

「はいてますよ」というのは、日本語の「ある特徴」をよく反映したギャグだと思います。その特徴というのは、日本語だと「主語や目的語など、分かりきっていることを省略できる」ということです。「はいてますよ」という言葉も、主語や目的語を言葉にすると「私はパンツをはいてますよ」ということになるんですが、それはもう主語が「私」で目的語が「パンツ」であることは分かりきっているので、それらを言わずに「はいてますよ」だけでも通じるのです。それを安村さんはイギリスのオーディション番組で披露した時に、そのまま英語にすることはできないんですね。英語だと主語と目的語を入れなきゃいけないですから、安村さんがイギリスで芸を披露したときは、「はいてますよ」の代わりに「アイム ウェアリング」と言いました。つまり、「私」に相当する「アイ」を補ったわけですね。実はそれも不完全で「何をはいていたのか」を言ってないんですよ。そしたらイギリスの観客たちが、それを補うべく「パーンツ!」と叫んでくれているわけです。そうれはもう、安村さんの「アイム ウェアリング」に目的語がないから、観客たちが補ってあげてるっていう、日本語と英語の違いで、自然なやり取りが発生したという所がすごく面白いなと思いました。

平岡

そういうことなんだ!なんかノリがいいから「パーンツ!」って言ってくれてるって思ってましたけど、文法的に「パンツ」って入れるのが普通だから、観客が言っちゃうんだ。

川添

言わないと英語として、やっぱり不自然だから「パンツ」を言っちゃうっていうのが多分あると思うんですけど。

平岡

言わないと気持ち悪くなっちゃう感じなんですかね?

川添

そうだと思います。

平岡

だから、みんな「パンツ」って言うんや。なるほどねぇ。安村さん上手ですね。匠に「パンツ」を引き出したと。じゃあ、「アイム ウェアリング パンツ」とは言わずに「アイム ウェアリング」だけにしたってのが良かったんですね。日本語の「目的語や主語とかを省略できる」っていうのはすごい特徴なんですね。

川添

そうですね。それで、かなり簡潔にコミュニケーションが取れるようになっています。

平岡

結構、省略しますよね。

川添

だから、外国の方、特に英語圏の方とかには分かりにくいのかなと思いますけども。

西原

日本人って会話している時、「察してよ」じゃないですけど、「分かるでしょ?」みたいなことありますよね。

平岡

あるよね!川添さん、それって日本特有のものなんでしょうかね?

川添

多分ほかの言語にもあると思うんですけど、結構日本人の性質と相まってるかもしれないです。

平岡

相まって、ちょっと激しめに出ちゃってるかもしれないという事ですね。へ~!それが、まさかギャグに応用されているとはすごいですね。「はいてますよ!」ですよ、西原さん。

西原

答えは安村さんでしたか。

平岡

「こ〜んに〜ちわ〜!」は違いましたね。

川添

でも、「こ〜んに〜ちわ〜!」も、あれはあれで面白いです。

西原

笑 でも、安村さん「はいて」ますけど、川添さんには裸にされましたね。

川添

平岡

お?どうですかそれは!いいと思いますよ西原さん。「やることまんさい、野村萬斎」でしたっけ?

西原

それは、聞かなかったことにしてください。

川添

平岡

あとで丸裸にしてもらいましょう。ありがとうございます!後半コーナーでは、“言語学”についてもお話伺います!

教えて!川添先生!

西原

コールセンター業界のリーディングカンパニー、ベルシステム24がお送りしている「名言いかがですか? ~笑って学ぶ神ことば~」。今日は言語学者・川添愛さんをゲストにお迎えしコールセンターになくてはならない“言葉”をキーワードにいろいろ伺っていきたいと思います!

平岡

よろしくお願いします。色々聞いていきましょう。早速なんですけども、そもそも川添さんが言語学の道に進まれたきっかけは何だったのでしょうか?

川添

そうですね、直接のきっかけは、大学に入った時に、専門を選ばなければいけない時があって、それでいろんな研究室にお邪魔して、先生に質問できる時があったんですね。その時、言語学の研究室に行って「何か質問ある?」って言われたので先生に「お天気下り坂って言うのに、お天気上り坂って言わないのはなんででしょう?」って聞いたんですよ。そしたら先生が、「そういう事が気になるなら君は言語学に向いているかもね。」って言ってくださって、それで嬉しくなって言語学に進んじゃいました。

平岡

頂上対談みたいですね。確かに、「お天気下り坂って言うのに、お天気上り坂って言わないの気になりますね。言葉を研究する学問ってことなんですか?

川添

そうですね。いろんな分野があるんですけども、私がやってきたのは、人間が言葉を理解したり、話したりする時に、頭の中でどういう計算が行われているか、脳の中の計算みたいなそういうことをやっていました。

西原

最初に大学の先生にその質問されたってことですよね?それがすごいですね!

平岡

先生足震えていたんじゃないですか?「とんでもない学生が来た!」って

川添

いやいや、そんなことはないです 笑

平岡

でも、皆さん言語学を専攻される方は、そういう言葉とかが好きでとか、気になってる方が多いってことですよね。

川添

そうですね。「なんでこういう言い方するのかな?」とかそういう事に興味がある方が来てることが多いと思います。

平岡

言葉を認知する時、どういう思考になっているんだろう?という学問以外にも、いろんな分野があるんですか?

川添

そうですね。私たちが話すときに使っている「音」とか、「音声」はいったいどういう仕組みをしているのだろうとかですね。

平岡

あ、それも言語学なんですね。

川添

はい、言語学です。あとは、歴史的に「この言語は、どういう系統の言語なんだろう?」とか、世界でも消えそうな言語を話している人たちのところに行って、フィールドワークをしてその言語を保存するっていう活動をしている人もいますし、もう幅広いんですよ。

平岡

めちゃくちゃ言語学は幅広いですね。その中で自分の専門性を出すという事なんですね。元々、頭の思考とか人との会話について興味はあったんですか?

川添

元々は、数学が嫌いだったので 笑  それで、文系にしたんですけど、文学が好きなわけでもなかったので。

平岡

なるほど。言語が好きかもってなったんですね。

川添

人の心にまつわることできたらいいなと思ってたんですけど、心理学の研究室に行ったら、実験器具とかあって、「なんかめんどくさそうだな」って 笑

平岡

確かに!話してとかじゃなくて、実験器具とかあったらややこしそうですもんね 笑 これ、運命の分かれ道ですね。 なるほど、それで今の道を選ばれたということなんですが、言語学を研究される、また今では教えられている上であらためて気付かされたこと、また楽しいことはなんでしょうか??

川添

楽しいのは、普段無意識に使っている言語がかなり複雑だってことですね。私たち普段当たり前のように言葉を使ってますけど、実はものすごく大変なことをしているんだってことが分かることが面白いなと思います。

平岡

川添さんの本を読ませていただいたその中にもありましたもんね。日本語とか、相当言語が複雑に作られていて、それを頭で処理するって俺たちはとんでもないことをしているんじゃないかって気になってきましたもんね。そういう事なんですね。言語学を研究されるって具体的にどういった活動なんですか?

川添

そうですね。私がやっている分野では、文のいろんなところをいじくってどういう印象になるのかな?っていう話をしたりしています。

平岡

へ~、文をいじくる?

川添

例えばですけど、「代官山を拠点として、活動する」という言葉と、「山田さんを課長として、採用する」という言葉があったとして、どっちも「○○を○○として、○○する」っていう言葉なんですけど、実は私たちその二つを全然違うやり方で理解しているんですね。見た目は同じだけど、全然違っているそれがなぜ分かるかというと、「○○を」と「○○として」をひっくり返すと分かるんですよ。「山田さんを課長として、採用する」は「課長として山田さんを採用する」という風に言っても意味は同じじゃないですか。でも、「代官山を拠点として、活動する」の方は、「拠点として代官山を、活動する」と言うとすごい変な感じに感じになっちゃうそんな風に、「代官山を拠点として」の方は「として」の「して」の方が「代官山を」を目的語としてるので、「採用する」の方は採用するっていうのが「山田さん」を目的語としてとっているってことで、かなり構造が違うんですけど、そうやって入れ替えたりしてみないと私たちにはそれが分からないんです。

平岡

自然に使いすぎてて分からない?

川添

自然に使いすぎてて分からないんですけど、実は頭の中ではそれをちゃんとやっているっていうのが、文をいじくると分かったりするんですよね。「実はこの二つ違うんだ」と分かるんですね。

平岡

でもそれって、学校で教わってないような気がするんですよ。

川添

教わらなくても知ってるんですよ。

平岡

??なぜ、僕は知っているんですか?

川添

多分、子どもの頃からそういう言語に触れてくることによって、自然と身に着けているこれもまた言語学の「謎」なんですけども、教わってないのにもう知っているってことですね。

西原

小さい頃に、知らず知らずのうちにお父さん・お母さんの会話を聞いていてってことなんですかね。

平岡

「どうやら、そういう事なんだろう」となんとなくインプットしていっている事なんですね。でも、それを紐解いていく、当たり前にやりすぎていることを、「実は」っていう答えを出しているってことなんですね。言語学的な発見とかあったりするんですか?「実は、日本語ってこうなっている!」とか。

川添

いろいろあると思いますね。特に英語とか、ほかの言語と比べた時に見えやすくて、先ほど話題に出た主語とか目的語を省略できるっていうのもそうですし、目的語の順番を自由に入れ替えられるってのも日本語の特徴ですよね。『ワンピース』の有名なセリフで「海賊王に、俺はなる!」というのがありますが、普通の語順で言うと、「俺は、海賊王になる!」ですけども、入れ替えることによってかなりインパクトが出てるっていう。

平岡

確かにね。それで、インパクトが出るって考え方も面白いですね。「それで、インパクトだすんや」みたいな。

川添

なんとなく、基本の語順はあるんだけども、それでも自由に入れ替えてもいい、それが英語とかほかの言語だとかなり違う。

平岡

確かに、英語は結構決まってますもんね。

西原

じゃあ、インパクト付けたい時は、頭にバン!っと持ってきた方がいいんですか?

川添

それは、あると思いますね。

平岡

なるほど、最初に言った方がいいのか。でも、途中で入れてても大きい声で言えば大丈夫なんじゃないですか?

川添

それもありますね。

平岡

ありますか!

川添

いろんな方法がありますね。

平岡

(川添さんの本の中で)声色という話もありましたから、そういうのでインパクトを付けるってのもあるんですね。「コーヒーを俺は、飲む!」とか。

川添

笑 そうですね。「俺はコーヒーを、飲む!」よりインパクトが出ます。

西原

笑 なんでも『ワンピース』のやり方で、頭に持ってくればインパクトが出るますね。

平岡

違う観点でも言えますからね。どうですか?西原さんここまでのお話を聞いて。

西原

これから、言葉の使い方が変わってきそうな気がします。

平岡

今まで、当たり前だったことをもう一回考えてみると、違う見方で切るかもしれないなってことですね。 ということで、お別れのお時間となりました。川添先生には、来週もご登場いただきたいと思います。よろしくお願いします!

川添

こちらこそ、来週もよろしくお願いします!

西原

 以上、「教えて!川添先生!」のコーナーでした。

平岡

「名言いかがですか?~笑って学ぶ神言葉~」 そろそろ終わりの時間近づいてきましたが、いかがでしたか?今日の名言を、人生のコーヒーブレイクにしていだたけると嬉しいです! という事で西原さん、今日は川添さんをお迎えしてお送りしてきました。

西原

最初のギャグのお話と言い、言葉についてこんなに深く考えたことなかったですよね。

平岡

そうね。全然違う角度からすぎて、「なるほどな」っていう感じでした。

西原

なんか、我々もネタを作る時とかも、「この言葉を先に言った方がいいんじゃないか」とかあるじゃないですか。

平岡

「こっちのワードにした方がいいんじゃないか」ありますけど、違う捉え方ができましたね。

西原

「なぜ、そうするべきなんだ」とかっていう解釈は僕らの中にはないじゃないですか。

平岡

雰囲気でやってるよな!「こっちの方が良さそう!」とかでやっているけど、実はすごく脳がグルグル働いて、導き出した何かだったかもしれない、それをちゃんと説明できるのが“言語学”かもしれないですね

西原

また、来週、再来週と川添さんいらっしゃるという事でしょ?

平岡

いらっしゃいます。

西原

ちょっとこれ、川添さんとの回を踏むごとに「言葉のスペシャリスト」になるかもしれないですね。

平岡

あら、やめてくださいよ。ネタ帳とか出してきたりして、「この一文なんですけど…」なんて言うのやめてくださいよ。

西原

はい、気を付けます。

平岡

来週も楽しみです。この番組は、コールセンター事業を手がけて40年、株式会社ベルシステム24の提供でお送りしました。ベルシステム24では現在一緒に働く仲間を募集中です!気になる方は概要欄からベルシステム24のお仕事情報サイト、Bellbiz(ベルビズ)をチェックしてみてください!それではまた来週!お相手はコーヒールンバの平岡幸男と、

西原

西原朗演でした!

コーヒールンバ

松竹芸能所属。
コーヒー芸人として各メディアでも活躍する平岡と、ベルシステム24に在職中の西原のコンビ。西原は20年間もベルシステム24で働いており、会社では頼れるベテラン管理者としても活躍。

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