今話題の【ワーケーション】って?実際に体験してメリット・デメリットを検証!
「ワーケーション」で、テレワークの可能性は拡がる?
2018年7月23日(月)~27日(金)は、「テレワーク・デイズ」!
「テレワーク・デイズ」は、働き方改革および2020年の東京オリンピックの期間中に会場周辺の混雑が予想されるため、可能な限り自宅でのテレワークを推奨することを目的とし、総務省や厚生労働省等が東京都および関係団体と連携し、2017年より実施されています。
昨年は1日のみだった「テレワーク・デー」が、今年は1週間に期間が延長され「テレワーク・デイズ」として実施されました。
総務省より、テレワークの導入・活用を進めている企業・団体で、かつ充分な実績を持つ企業等を「テレワーク先駆者百選」としており、当社は2016年に「テレワーク先駆者百選」企業に認定されています。そして、昨年は433名が「テレワーク・デー」の取組みに参加しました。
◆昨年のテレワーク・デーの様子はこちらをご覧ください↓
今年は、なんと延べ2000人以上がテレワークを実施しました。
ジモタツでは、次の視点で2018年の「テレワーク・デイズ2018」をレポートします。
① ワーケーションをやってみた
② テレワーク・デイズ2018参画レポート
ということで、今回は今話題の『ワーケーション』を取り上げます。まず、「ワーケーションって何??」というところからご説明していきましょう。
ワーケーションとは?
「ワーケーションとは」:『ワーク』と『バケーション』から作られた造語。一般的に旅行中や休暇中に仕事を行うことを指す。「会社に出勤せず仕事をする」という点ではテレワーク、ノマドワークと似ているが、休暇などの際にリモートワークを行う点で異なる。もともとは、欧米で仕事を優先し休暇を取得しなかったり、休暇を取得してもその間に仕事をすることが多いことから、ワーケーションが推進されたと言われている。
ワーケーションは昨年、日本航空(JAL)が制度として導入したことでも話題になりました。
JALでは、デスクワークに従事する社員約4,000人を対象に、7~8月の2ヶ月間、国内外のリゾート地や帰省先などでテレワークの導入を決定。
JALのワーケーションの定義は、「電話やWi-Fiがつながり、一両日中にオフィスに戻ってこられる場所でテレワークをすること」。
休暇と労働という相反する要素を組み合わせるため、仕事と休暇のメリハリがつけられることが条件となっており、中には許可されないケースもあったようです。
「仕事に集中できないのでは?」など、ネガティブな意見もあった反面、実際にワーケーションを行った社員からは「仕事の都合で旅行を諦めずに済む」などの声もあったんだとか。
ワーケーションによって時間の有効活用ができ、休暇を楽しむことができたということですね。
たとえば土日休みの方がワーケーションと有給休暇を組み合わせた場合、木曜から現地入りして、木曜日は仕事、木曜の夜から休暇に入り、金曜は有給を取って金土日でたっぷり時間を使い、3泊4日で旅行を楽しむこともできます。これなら現地で充分な時間をとれるし、旅費も節約できるため旅行に行きやすくなりますね。
果たしてちゃんと仕事ができるのか、ためしにやってみた
ここまでテレワークのことをお伝えしてきましたが、気になるのはやっぱり「実際ちゃんと仕事ができるの?」ということ。
そこで、札幌で、大手IT企業のCRMコンサルティングや問い合わせセンターを担当している川崎さん・平賀さんに試していただきました。
今回実施したワーケーションのテーマは、その名も『パークDeワーク』。名前の通り「パーク(公園)」で「ワーク(テレワーク)」を行うという斬新な試みです。
普段はクライアントの窓口や、センターマネジメントを主に担当しているというお二人。果たして仕事はできたのでしょうか?
会場となったのは、札幌市民憩いの場「モエレ沼」公園。広大な敷地内には、世界的に著名な彫刻家イサム・ノグチが手がけた独創的な屋内施設やモニュメントをはじめ、噴水や遊具もあり、自然とアートが融合した美しい公園です。
- 【モエレ沼公園】
- 札幌から車で約30分。駐車場無料。入場無料。敷地面積は188.8ヘクタールで、夏には花火大会なども開催される。
- 〒007-0011 北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1
- TEL:011-790-1231 FAX:011-792-2595
そんなアートなモエレ沼公園での「パークDeワーク」のスケジュールと取り組んだ業務は、
こちら。
実施に当たっては、
・個人情報を扱う業務をしない
・電話でも対応可能な業務をまとめる
・PCのそばを離れない(携帯する)
など、セキュリティ等にも注意しながら実施してもらいました。
ワーケーションを実施した川崎さん・平賀さんに、私わたいがインタビューを実施しました。
わたい:今回、大胆にも、公園で仕事をしてみよう、ということですが、実は発案者はお二人なんですよね。どうしてやってみようと思ったんですか?
平賀:テレワーク・デイズには僕らも参加しようと思っていたんです。北海道には雄大な自然があり、この中で仕事をしてみたら、どんなに気持ちがいいだろうか!と。世の中にはいい仕事を生み出すために、いろいろな工夫を凝らしたオフィスがあります。マイナスイオンを浴びたり、綺麗な空気を吸うことで、コンクリートの中とは違う思考ができるのではないか?ということを試したいと思ったのがきっかけです。今回ジモタツでの検証企画ということで、チャレンジできました!
わたい:名前がキャッチ―ですよね。ダジャレから考えついた、とかでは・・・。
川崎:ないです、ないです。(笑)「自然とオフィスワークは結びつかない!」という既成概念を崩したかったのもあって。
わたい:実施するにあたって、注意したことは何ですか?
川崎:個人情報等をPCに入れないとか、電話でできる業務をまずは1日にまとめて、チャレンジしたところですかね。この公園は広く、周りに人がいないので、あまりは心配ないんですけど・・・。
わたい:公園で仕事する人はあまりいないですけど、ネットワークは問題なかったですか?業務環境としてはどうでした?
平賀:ぜんぜん問題なかったですね。今回は電話でできる業務を中心に実施したということもありますが、ネットワーク接続が切れたりすることもなかったです。
わたい:電波状況良かったんですね。それにすごい良い天気に恵まれましたね!空が広い!
川崎:気持ち良かったですよ。ただ、日差しがきつかった。あと、電話で話していても、風で声が聞きとりづらいことがありました。モエレ沼は屋内の建物もあるんで、雨が降ったらそこに移ることもできます。が、念のため事前に屋内施設があるかは確認した方がいいかもですね。
平賀:あと、今回は3時間半でしたけど、長時間の時は電源を確保しないといけないですね。それと、もしネットワークに接続不備があったら非効率なんで、事前に電波状況も確認しておいた方がいいかも知れないです。
わたい:なるほど~。『パークDeワーク』をする時は、日差しや雨風を防げる屋内施設があるか、電波状況、電源確保ができるか、事前に確認しておいた方がいいわけですね。やってみて良かったことはなんですか?
川崎:公園内の山や、かっこいいモニュメントで仕事をしたり、噴水でマイナスイオンを浴びたりして気持ち良かったのですが、一番の収穫は「オフィス以外どこでも仕事は可能だ」とわかったことです!オフィスは、固定席のないフリーアドレスなんですが、"やっぱり自分の席があった方が落ち着くのでは?"と思ってたんです。でも今回パークDeワークをやってみて、「公園の方が落ち着く(仕事ができる)」ということが分かった。やっぱり席はいらないな、って。
わたい:なるほどーーー!そういう視点もあるわけですね。逆にワーケーションで一番難しかったことはなんですか?
平賀:行き先によりますが、移動時間がかかる点でしょうね・・・。移動費用もかかる。
川崎:それはそうだけど、仮に終業後みんなでバーベキューをする場合、あらかじめバーベキュー会場の近くで仕事してた方が効率がいいとは思うけど。移動費用が多少かかっても、いつもと違う環境で、リフレッシュできて、仕事もはかどるんだからいいんじゃないかなと。少しだけど、公園で遊んだけど楽しかったよね。
結論として、「問題なく仕事ができた」ということですね!
自然環境に囲まれての仕事、おおいに気分転換になりそうです。仕事をしながら大自然に触れて自然にこぼれる笑み……とても楽しそうでした。
まとめ
● できた業務
・電話会議
・部下への業務指示など
● できなかった業務、困った点
特になし
※今後他の業務にチャレンジしていく上で発生していく可能性あり
● 注意点
事前の確認と業務の調整が必須
・外でもできる業務を、ワーケーションの日にまとめる
・移動時間を考慮する
・VPNやインターネット環境などの確認(可能であれば接続テストを行った方が良い)
・前もって電源の確保をしておく(コンセント、十分なバッテリーなど)
いかがでしたか?
気をつけるべき点はありますが、『社内環境へのアクセス』『業務をする環境としての問題点』について「大きな問題はない」こと、「オフィス以外でも仕事は充分可能」とわかったことが収穫でした。テレワーク普及への大きな一歩となったのではないでしょうか。